寒いときの運動 (6)マイオカインとは
寒いときの運動 (6)マイオカインとは
マイオカインとは?
マイオカインとは、マイオ(myo、筋肉)+カイン(kein、作動物質)を由来とする物です。ミオカインとも言います。
従いまして、筋肉で作られるサイトカインで、現在までに300種ものマイオカインが発見されています。
その一部を下の表に示しました(リンク先3ページ)。
マイオカインは下半身の筋肉の中でも、特に、太もも(大腿四頭筋)やふくらはぎの筋肉(腓骨筋)から分泌されるもので、通常の生活では、分泌されません。
どのような時に分泌されるかについては、「筋トレ時」です。
しかも、運動量が多ければいくらでも分泌されるという物ではありません。
普段の低負荷の筋肉トレーニングでマイオカインは分泌されてます。
マイオカインの効果
マイオカインの具体的な効果は、上の表に示されている通り、種類が豊富な分だけ、その効果も多様ですが、概ね次の作用が明らかにされています。
筋肉を作る
骨を作る
抗炎症
免疫力を上げる
脂肪を減らす
より具体的には、次のようなマイオカインそれぞれの作用が明らかにされています。
1) IL-6(マイオカイン) は脂肪組織および肝臓に作用し、脂肪の利用を促進する
2) SPARC(secreted protein acidic and rich in cysteine)は、運動させたマウスでは骨格筋から SPARC が産生される結果,大腸癌の誘発頻度が著しく低下する
SPARCは、オステオネクチンの別名で、酸性リン酸化蛋白です。
3) アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌され,抗動脈硬化作用を有し,虚血性心疾患の危険抑制因子として知られています。
収縮骨格筋からも分泌され、身体活動や運動の抗動脈硬化作用および抗炎症作用の一端を担っている。
4) 骨格筋由来の IGF-1,FGF-2 は,骨格筋と隣接する骨領域における骨形成を促進する。
上記の効果の内、1)の「マイオカインが脂肪を減らす作用」について、次回ご紹介させて頂きます。
・・・・・脂肪を分解してくれることで、脂肪肝などの肝機能の改善も期待されます。
・・・・・また、肝臓は血糖を貯めてくれるエネルギーの貯蔵庫ですが、肝臓の機能が上がれば血糖値を下げることができます。
他方、脂肪肝の場合には、糖分を貯蔵できないだけでなく、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、認知症などの生活習慣病を招く危険性があります。