得意技とお家芸(コラム)
得意技とお家芸(コラム)
得意技とは
「日本のお家芸」と言えば、男子柔道と女子レスリングと言われたこともありました。
しかし最近では、様々な競技で日本人の活躍が目に付くようになっっています。
例えば、テニス、卓球、バトミントン、水泳、スキージャンプ、スピードスケート、サッカーもパスサッカー?では有名になりました。
ところで「得意技」とは、スポーツ競技などで得意とする技。その技を使って相手によく勝つ技を得意技と言います。
この得意技を持つことで、簡単には対戦相手が防ぐことが出来ない攻略不可能な技であることから、防御不能の必殺技とも言い換えることも出来そうです。
吉田沙保里の得意技と言えばノーモーションから繰り出される高速タックルです。
つまり、対戦相手が防げないのは、「高速タックル」そのものではなく、「高速タックルの前の状態がノーモーション」であるからです。
柔道なら、吉田秀彦の内股、古賀稔彦(こが としひこ)の背負い投げは、いかにも日本伝統の柔道技の中でも彼らの活躍は目を引きました。
それら以外では、「早飯とどこでも寝られる」なども得意技?の範疇かどうかはここでは横に置いておきます。
伝統の技は文化?
上記の輝かしいスポーツ競技の得意技のはるか以前から、日本にはお家芸がありました。
それは「「戦争の記録焼却の技」、「公文書廃棄の技」と「責任回避の技」などの多才な技ではないだろうか。
つまり、第二次世界大戦における記録の証拠隠滅という得意技です。
ポツダム宣言受諾後、日本社会は天地がひっくり返る状況が予測されたことから、8月14日に閣議決定された焼却命令は全国に及び、徴兵関係書類や日中戦争に関する書類までもが焼却されたとされています。
その結果、赤紙で招集された兵員数及び死者数さえも公的な記録の多くが抹消されてしまったのです。
さらに、軍人名簿が焼かれたことで、恩給の給付に支障をきたした地方自治体まであったと言われました。
ポツダム宣言は「戦犯の処罰」を明記しており、戦犯問題が起きる事を懸念して証拠隠滅を行うことで、公文書の多くを焼却させたことで、言い逃れを可能としました。
責任を追求される資料となりそうな書類や記録と判断した場合には、他の者に責任を押し付け、
「責任転嫁の技」、
「責任逃れの技」、
「保身の技」など、巧妙多才な技を繰り出してきた歴史と文化が引き継がれているのかも知れません。
お家芸
これらに加え、日本の加害事実や戦争責任について、安倍政権は歴史修正主義とまで言われています。
上記の廃棄処分が歴史を歪め、歴史修正主義を生み出す温床となっているとの指摘は、納得させられるでしょう。
最近では、森友学園(大阪市)への国有地売却や陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣をめぐり、重要な行政文書が短期間で破棄されていた。
また、厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で、不正なデータを補正するために必要な基礎資料のうち、2004~11年分が紛失や廃棄されていた。
まさに国を挙げての証拠隠滅で、支払うべき様々な助成金の金額を再調査、再評価できない事態さえ招いているます。
これら見事なまでの「お家芸」により、国家公務員が国の仕組みを引っかき回している実態を公表してしまったのです。
従って、もはや身内の調査結果に信頼性はなく、第三者委員会に委ねられるような状態の中央官僚を国民は養い続けなければなりません。
これが伝統と文化が育んだ「日本のお家芸」とは、情けない。
と言うよりも国民のために働いていなかった実態があっただけでなく、かつての不正建築問題、耐震偽装問題と同じ事を中央官僚が「技」として見せてくれるとは、まさか国民も思っても居なかったことでしょう。
今回の上記、労働統計問題でもほとんど責任らしい責任追及には至らないだろう。
みんなして責任逃れが上手いのも「お家芸」であり、「得意技」と評価され、「今の地位に留まる」と思われます。
日本の歴史も公務員の業務もすべての公文書を100年保存しても、内容を書き換えてつじつまを合わせる可能性さえ考えられます。
ならば早速、年金給付額の計算方法、固定資産税の計算方法などを開示して頂きたい。
・・・・少なくとも、これらの計算が難しいなら、せめて社会保険労務士や税理士であれば計算可能な状態にまでしてもらいたい。
そして何よりも、公文書を故意に破棄するような国の歴史は、歴史を証明する手段を捨てていることを意味し、「よほど都合の悪いことがあったのだろう」と考えざるを得ない。
事実、戦国大名の記録は、記録そのものがお粗末過ぎ、様々な解釈が成り立つことから、様々な推測でドラマ化されているに過ぎず、歴史をフィクションとして楽しむための材料に近いだろう。
そして何よりも確かなことは、記録を残さないことは、後の時代になって知られたくないことがあったのだろうと考えられないだろうか。
関連情報
満蒙開拓団27万に中8万人が犠牲 (1932~45年、旧満州) ・・・・これらの歴史的な公文書を保存する仕組み作りがなかったのは、故意に保存の仕組みを作らず、証拠隠滅を意図していたのかも知れません。
得意技は「あり崩し」 ・・・「森友学園問題で、地下のゴミをあった事にした」場合には、「あり崩し」。そして歴史資料をなくすことは、「なし崩し」だろう。どちらにしても虚位であり、事実を歪曲する手段だろう。