かかりつけ医 (4)かかりつけ医の見つけ方
かかりつけ医 (4)かかりつけ医の見つけ方
かかりつけ医は何人いても良い
かかりつけ医には、幅広く診察できると言う意味で内科医がよいとされています。
現在、地域の内科医に定期的に受診しており、高血圧症や糖尿病などの慢性病の薬を処方されている人は、その内科医がかかりつけ医といえるでしょう。
なお、内科の医師には、呼吸器、消化器、循環器、心療内科などそれぞれの専門分野があります。
新たにかかりつけ医を探すときは、不安のある病状の専門分野の内科医を探すとよいかもしれません。
なお、内科系の病気では定期的な通院をしていないものの、膝や腰の痛みがあって長年、整形外科に通院している高齢者も多くいます。
そういう場合は、その整形外科医がかかりつけ医と考えます。
内科にも整形外科にも定期的に受診されている場合には、かかりつけ医が二人いることになります。
他にも、眼科で継続的に見てもらう持病があったり、脳梗塞がある場合には、それぞれのかかりつけ医が必要になることもございます。
かかりつけ医の見つけ方
1)医療機関を受診した際、親身になって症状を聞いてくれてる(問診してくれる)医師をお選び下さい。
2)検査を行い、診断が付いたら病名と治療方針を説明してくれる医師を選んで下さい。
・・・何の説明も無しに検査や治療を行うことはないと思いますが、ご自身が納得した上で検査を受け、治療を望んでいることを伝えられる関係かどうかを点検して下さい。
・・・もしあなたが、不必要な検査と思った場合には、検査の目的や必要性について聞くことが出来る先生を選んで下さい。
3)特定健診や後期高齢者健診の結果や他の検査結果について、解りやすい丁寧な説明をしてくれる医師を選んで下さい。
・・・検査結果の説明が解りにくいとき、その医師に重ねて質問できるような医師を選んで下さい。
・・・もし、説明が解りにくいまま、質問を遠慮されるようでしたら、他のかかりつけ医の見つけることをお勧めいたします。
4)より詳しい検査や入院、手術が必要な際には、紹介状など他の医療機関への連絡を快く引き受けてくれる医師を選んで下さい。
5)介護保険制度について学んでいる医師で、家庭における介護の不安や介護申請及びその後の施設介護について相談できる先生をかかりつけ医として下さい。
6)近所の評判が良いだけでなく、あなたご自身がその先生の診療に納得出来る医師を選んで下さい。
7)往診と夜間連絡について確かめておきましょう。
高齢者が往診を必要とする際に、対応して頂けるかどうかを、遠慮なく確認できる医師をかかりつけ医として下さい。
但し、往診に応じられない医師であっても、何でも気軽に話せて信頼できる医者であることが何より大切です。
その上で、通院できなくなった時にはどうすれば良いかをご相談下さい。
8)認知症に向き合っている医師をかかりつけ医にして下さい。
・・・地域の開業医では、認知症の疑いがあっても、診断設備の問題で確定診断が出来ない場合には、専門の医療機関を紹介して頂けます。
但し、患者さんやご家族にとっては、家族に対して認知症の疑いを指摘するだけで診療全体についても否定的に捉えてしまうご家族も少なくありません。
その結果、認知症を疑いながら、家族からの申し出があるまで認知症について触れない医師も少なくありません。
しかし、何事も早期発見と早期治療に優る選択肢はございませんので、疑いであっても指摘し、専門の医療機関を紹介して頂ける医師を選んで下さい。
治療が難しいからこそ、早期発見と早期診断、そして早期治療につなげるためのかかりつけ医からのメッセージと受けとめて頂きたいと思います。
9)終末期医療についての理解や知識がある
話しにくい終末期や看取りについて相談できることは重要です。
多くの高齢者の患者さんを診ている医師であれば、経験も多く、おおむね安心してよいと思います。
なお、在宅介護を始める前に在宅医療が必要な場合は、ケアマネジャーに相談し、今後の方針を在宅医療で訪問診療される医師と方針を決めて頂く事が多いと思います。
まとめ
当院でも、上に示した9つのポイントの内、必ずしも対応できていない部分もございます。
そして、内科系の診療所の多くは、様々な事情もあってすべてには対応できていないかも知れません。
加えて、上記の内、どれが最も必要なことかについても、ヒトそれぞれかも知れません。
医師であっても完全なヒトではありませんし、能力にも限界がございます。
その上で決められるのは、患者さんご自身です。
力のおよばない点も少なくございませんが、少しでも安心して受診して頂けるよう考えていきたいと思います。