特定健診の新たな検査:nonーHDL-C まとめ
特定健診の新たな検査:non-HDL-C まとめ
non-HDL-Cの言葉から想像されるイメージは、「HDL-コレステロール(高比重リポ蛋白質)以外のコレステロール」を意味しているように想像されます。
そして実際のところ、以下の式で計算されます。
non-HDL-C = 総コレステロール(TC)- HDL-C
この式からイメージされることは、総コレステロールの中で、善玉コレステロールであるHDL-C以外のコレステロールと考えられます。
すなわち、悪玉コレステロールであるLDL(低比重リポ蛋白質)と 極悪コレステロール?と言われそうなVLDL(超低比重リポ蛋白質)やリポ蛋白(a)などが含まれていると考えられることになります。
このnon-HDL-Cの検査指標としての有用性を評価した下記の報告について整理しておきます。
タイトル:Relationship between coronary artery disease and non-HDL-C, and effect of highly purified EPA on the risk of coronary artery disease in hypercholesterolemic patients treated with statins: sub-analysis of the Japan EPA Lipid Intervention Study (JELIS).
訳:「スタチン治療を受けた高コレステロール血症患者における冠状動脈疾患とnon-HDL ‐ C の関係および冠状動脈疾患のリスクに対するEPAの効果:日本EPA脂質介入研究(JELIS)のサブ分析」
研究者:Jun Sasaki, Mitsuhiro Yokoyama, Masunori Matsuzaki, Yasushi Saito, Hideki Origasa, Yuichi Ishikawa, Shinichi Oikawa, 他。
研究機関:国際医療福祉学、兵庫脳神経センター、他。
公表雑誌:Journal of atherosclerosis and thrombosis. 2012;19(2);194-204.
上記の報告は、高コレステロール血症の患者さんの治療で使われるスタチンで「LDL-C及び(又は)non-HDL-Cが管理目標値に達した患者群」と「達しなかった患者群」で、冠動脈イベントの発症率を比較しました。
その際、高コレステロール血症以外の危険因子(喫煙、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-Cなど)に基づいた冠動脈イベントのリスク因子により、LDL-C の管理目標値のカテゴリー別に狭心症や心筋梗塞などの冠動脈イベントの発症率を比較し、non-HDL-Cの有用性を評価したものです。
まとめ
(3)LDL-Cとnon-HDL-Cの管理状態と冠動脈イベントのリスク
(5)non-EPA群における血清脂質濃度と冠動脈イベントの発生率とハザード比
(7)LDLーCとnon-HDL-Cに対する治療管理目標値と冠動脈イベントのリスク
(8)LDL-Cまたはnon-HDL-Cが管理目標値に達しなかった患者サブグループBとCの被験者における冠動脈イベントに及ぼすEPAの効果