大豆食品は高尿酸血症に良いか? (1)尿酸値に及ぼす影響
大豆食品は高尿酸血症に良いか? (1)尿酸値に及ぼす影響
大豆加工食品は、植物性の高品質な蛋白質であることから、さまざまな疾患で比較的推奨される食品です。
しかしながら、一言で大豆食品と言っても、納豆や豆腐、豆乳、油揚げ、湯葉、がんもどき、おから等、その種類は豊富です。
従って、どのような大豆食品なら疾患に及ぼす影響が少ないかを知っておくことも必要であると考えられます。
その理由は、疾患によって高尿酸血症や痛風なら尿酸を、また腎機能不全では蛋白質を制限したほうが良いとされることもあります。
そこでこのシリーズでは、高尿酸血症や痛風に及ぼす大豆食品の影響を検討した下の報告をご紹介させて頂きます。
タイトル:Acute effect of soy and soy products on serum uric acid concentration among healthy Chinese men
訳:「健康な中国人男性の血清尿酸濃度に対する大豆と大豆製品の急性作用」
公表雑誌:Asia Pac J Clin Nutr 2018;27(6):1239-1242
研究者:Min Zhang MS1 , Ling Lin BS2 , Huaqing Liu MS2
公表雑誌:Asia Pac J Clin Nutr 2018;27(6):1239-1242
研究者:Min Zhang MS1 , Ling Lin BS2 , Huaqing Liu MS2
研究機関:Department of Health Management, Bengbu Medical College, Anhui, China
公表雑誌:Ann Rheum Dis. 2010 Sep;69(9):1677-82. doi: 10.1136/ard.2009.124230. Epub 2010 May 14.
公表雑誌:Ann Rheum Dis. 2010 Sep;69(9):1677-82. doi: 10.1136/ard.2009.124230. Epub 2010 May 14.
研究の背景
高尿酸血症は、心血管疾患及びメタボリックシンドロームの進行に関連するという意味で、最近注目されています。
中国における高尿酸血症の罹患率は高く、男性の21.6%と女性の8.6%で、この患者の約18.8%は、5年以内に痛風になると指摘されています。
中国における高尿酸血症の罹患率は高く、男性の21.6%と女性の8.6%で、この患者の約18.8%は、5年以内に痛風になると指摘されています。
食事が血清尿酸値と関係し、プリン代謝の最終的産物であることから、プリン体が豊富な食品を摂取することが血中の尿酸濃度を上げると考えられています。
このことから、プリン体の豊富な食品は、痛風患者では、一般に制限されています。
他方、大豆は中国、日本をはじめとして、アジア地域では人気のある食物で、豊富で高品質の植物性タンパク質を摂取できます。
加えて、大豆に含まれるプリン体含有量は、比較的多いにも関わらず、加工された大豆製品(豆腐)の一部は、高尿酸血症や痛風患者に推薦されています。
また多くの大豆食品は、加工されることで、正確なプリン含有量は示されていません。
たとえば、豆腐のプリン体含量は、未処理の大豆のプリン体含量よりもりかなり低く、痛風患者の急性発作の時でさえ、手頃なタンパク質として推奨されています。
その一方で、大豆製品の中にもプリン体含量が比較的高い加工食品(納豆、高野豆腐)もあることから、大豆加工食品の中には必ずしも推奨されていない食品があると指摘されています。
その一方で、大豆製品の中にもプリン体含量が比較的高い加工食品(納豆、高野豆腐)もあることから、大豆加工食品の中には必ずしも推奨されていない食品があると指摘されています。
このように血清尿酸との大豆製品の関係は、必ずしも明らかではありません。
この研究は、健康な中国人男性で、大豆製品を摂取後、3時間を超えて血清尿酸濃度に及ぼす影響を調べた。
方法1 大豆食品の血清尿酸値に及ぼす影響の検討方法
60人の健康な中国人男性を6つのグループに分け、各グループの年齢とBMIに差がないようにした。
各々のグループは、6つの食品の内の1つをランダムに割り当てた。
一回の食事で摂取する大豆製品のタンパク質は40gとし、4つの大豆製品(大豆ミルク、大豆粉、豆腐ケーキと乾燥豆腐)の一つを摂取してもらった。
研究に参加した60人の参加者の内、10人は血清尿酸濃度(420μ以上mol/L=7 mg/dl)が高いため、除外したので、結局、50人の参加者で調査することとした。
各々のグループは、6つの食品の内の1つをランダムに割り当てた。
一回の食事で摂取する大豆製品のタンパク質は40gとし、4つの大豆製品(大豆ミルク、大豆粉、豆腐ケーキと乾燥豆腐)の一つを摂取してもらった。
研究に参加した60人の参加者の内、10人は血清尿酸濃度(420μ以上mol/L=7 mg/dl)が高いため、除外したので、結局、50人の参加者で調査することとした。
方法2 大豆食品の摂取と血液、血清尿酸値の測定
参加者は、血液採取の前に一晩絶食し、採血後の7時15分〜7時30分の間で用意された大豆食品を摂取してもらった。
大豆食品摂取後にも採血し、血清尿酸濃度を測定した。
結果については、次回ご説明させて頂きます。