トウガラシ まとめ
トウガラシ まとめ
このサイトで過去に紹介させて頂いた「医者を青くするもの」のシリーズの中から、「トウガラシ」に関連する情報を抜粋してご紹介します。
(157)トウガラシ1 ・・・辛味成分であるカプサイシンは、脳に運ばれ、副腎のアドレナリンの分泌を活発にさせ、発汗及び強心作用を促します。
(158)トウガラシ2 ・・・カプサイシンは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の溶血素産生が抑制します。
(159)トウガラシ3 ・・・カプサイシンが黄色ブドウ球菌による肺胞上皮細胞の損傷(細胞死)を保護している。
(160)トウガラシ4 ・・・黄色ブドウ球菌感染マウスは、カプサイシン濃度が高い程、死亡率が低下していました。
(161)トウガラシ5 ・・・カプサイシンが炎症細胞の減少と炎症細胞の活性化を抑制していました。
カプサイシンの作用は、上記だけではございませんが、黄色ブドウ球菌の溶血素産生を抑制し、炎症細胞の活性化と減少を引き起こす作用を明らかにした報告をご紹介させて頂きました。
「貯まる脂肪と燃える脂肪」のシリーズでご紹介させて頂いた情報は、以下の内容です。
(13)トウガラシで汗をかく機序1 ・・・カプサイシンが体内に吸収されると、身体が熱くなったり、汗が出たりします。その機序についてご紹介させて頂きます。
(14)トウガラシで汗をかく機序2 ・・・脳の中枢神経を介し、副腎からアドレナリンが分泌され、このアドレナリンが脂肪代謝などエネルギー代謝を促進したり、発汗を促したりします。
1)カプサイシンが交感神経を刺激することで代謝を上げますが、食欲も亢進させます。
2)カプサイシンによる褐色脂肪組織内の中性脂肪分解による脂肪燃焼は、寒い時期に褐色脂肪組織が蓄えられているときのみと考えられます。
3)従って、単純に「辛い食べ物や唐辛子で脂肪を燃焼させて痩せられるか?」と言う点については、余り期待できないと考えられます。
(16)カプサイシン類似体によるエネルギー消費量1 ・・・カプシノイドのエネルギー消費量増加作用に関する研究方法の概要について触れました。
(17)カプサイシン類似体によるエネルギー消費量2・・・間接熱量測定法について解説しました。
「(18)カプサイシン類似体によるエネルギー消費量3」
・・・・褐色脂肪組織の有無によるカプサイシノイドによるエネルギー消費量の違いは、次の3点が明らかにされました。
a)カプシノイド群のエネルギ-消費量は、カプシノイド摂取前に比べ、摂取30分~2時間後まで増加していた。
b)褐色脂肪組織が存在しない被険者では、カプシノイド群と偽薬群のエネルギー消費量に差が見られなかった。
c)褐色脂肪組織のある被険者では、カプシノイド群と偽薬群のエネルギー消費量に差が認められた。
・・・・これらの結果から、「カプシノイド摂取によるエネルギー消費量は、褐色脂肪組織由来のエネルギー産生を刺激している」と考えられます。
(19)カプサイシン類似体によるエネルギー消費量4
・・・辛味のないカプシノイドのエネルギー消費量に及ぼす影響を検討し、次の結果が確認されました。
1)寒冷曝露刺激を与えられた被険者を褐色脂肪組織有りのグループと褐色脂肪組織のないグループに分け、それぞれのグループで9mgのカプシノイドまたは偽薬を4-6週間投与し、消費エネルギー量を比較した。
2)その結果、褐色脂肪組織を有するグループでは、消費エネルギー量の増加が確認された。
3)この消費エネルギー量の増加は、呼吸商には影響を及ぼしていなかったことから、電子伝達系を介するエネルギー産生ではなく、褐色脂肪組織の活性化に伴うエネルギー産生と考えられます。
以上より、唐辛子を含む食事により、消費エネルギー量の産生が増加する事が期待されますが、それには次の条件が必要ではないでしょうか。
a)褐色脂肪組織が増える寒い時期に、唐辛子を含む食事をある程度継続摂取する。
b)「(15)トウガラシで痩せられるか?」のカプサイシンによるアドレナリンの分泌が褐色脂肪組織を活性化する機序 で示したように、唐辛子を含む食品で発汗するなど、食事により身体に変化が見られ、褐色脂肪組織が活性化される体質にしておくことが必要であると考えられます。
関連情報