野菜・果物摂取と糖尿病との関連について2
野菜・果物摂取と糖尿病との関連について2
前回の「野菜・果物摂取と糖尿病との関連について1」では、野菜のみ・果物のみの摂取と糖尿病リスクには明確な関連はみられなかった事が示されました。
今回は、野菜の種類別摂取量と糖尿病発症リスクとの関係についてご紹介させて頂きます。
結果2 野菜の種類別摂取量と糖尿病発症リスクとの関係
野菜の種類(緑黄色野菜、緑の葉野菜、アブラナ科野菜)別に分析しました。
種類とは、下の図2の横軸に示されている通り、「黄緑色、緑の葉、アブラナ」に分類しました。
縦軸は、それぞれの野菜の摂取量が少ない群の糖尿病の発症リスクを「1」とした場合、やや多い、多め、多い場合の糖尿病発症リスクを相対的に示しています。
しかしながら、いずれにおいても糖尿病発症との統計学的に意味のある関連はみられませんでした(図2)。
緑の葉野菜(男女)およびアブラナ科の野菜(男性)の摂取が多いグループで糖尿病発症のリスクが低くなっているようでしたが、統計学的に有意ではありませんでした。
まとめ
今回の研究では、全体としては野菜・果物の摂取と糖尿病発症との関連はみられませんでした。
しかしながら、野菜(男性)、特に緑の葉野菜(男女)およびアブラナ科野菜(男性)の高摂取グループでは糖尿病リスクが若干、低下していました。
ほうれん草や小松菜などの緑の葉野菜にはインスリン感受性を高めるビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化ビタミンが多く含まれており、疫学研究でもこれらの抗酸化ビタミンを多く摂取する人の糖尿病リスクは低いとの報告もあります。
また、キャベツや大根などのアブラナ科の野菜に豊富なイソチオシアネートには抗酸化作用があることが確認されています。
なお、男性の過体重(BMI25kg/m2以上)もしくは喫煙習慣のある人では、特にアブラナ科の野菜を多く摂取しているグループで糖尿病リスクの低下傾向が示唆されました。