高齢者白書 (6)一人暮らしの際に頼りたい相手・期待するサービス
高齢者白書 (6)一人暮らしの際に頼りたい相手・期待するサービス
一人暮らしの際に頼りたい相手・期待するサービス
下の図表2-2-5 は、「高齢期の一人暮らしの際に頼りたい相手・期待するサービス」についての調査結果です。
<頼りたい相手>
下のグラフ内の左側の棒グラフが示すとおり、半数以上が「子ども」、次いで「民間のサービス」、「地域のボランディア」を頼りたいと考えています。
現実はどうでしょうか?
子どもと同居していれば、物理的には頼れるかも知れません。
下図1-2-1-2の「家族形態別に見る65歳以上の高齢者の割合」を見ますと、右端の2015年のグラフが示す高齢者の単身世帯と夫婦のみの世帯の割合は、57%程となっています。
しかしながら、都市部の高齢世帯の割合はより高いと考えられますので、少なくとも高齢者の半数は子どもには頼れないと言うのが現実ではないでしょうか。
次いで、上の左側の図で「頼りたいサービス」は、民間のサービスとなっていますが、訪問介護サービスでは、当然、介護度により介護保険で受けられるサービスは限られています。
また、地域のボランティアは、介助を受けるまでに地域で交流があれば信頼関係がいくらか築けているかも知れませんが、「人間関係が煩わしい」と言う理由で地域交流を避けてきた場合には、不安が伴うのではないでしょうか。
<期待するサービス>
一番上のグラフの右側部分が示す「期待するサービス」には、
通院・買い物などの外出の手伝い、
急病などの緊急時の手助け、
洗濯や食事の準備などの家事支援、
配食サービスが上げられています。
これらの中で、通院や買い物は毎日ではありません。
急病などの緊急時も近くにかかりつけ医がある場合には、連絡も取れるでしょう。
他方、洗濯や食事などは毎日の家事であり、地域で一定の関係が築けても、実際には頼みにくいのではないでしょうか。
配食サービスは、すでにいくつもの事業者が行っていますので、ある程度、それらの事業者を利用することでカバーできる部分はあるように思われます。
いずれの「期待するサービス」も、若い世代にとってはそれほど対応が困難な問題には見えないかも知れませんが、高齢者にとっては日常生活における不安材料である事を示しています。