サルコペニア (1)サルコペニアとは
サルコペニア (1)サルコペニアとは
サルコペニアとは
ウィキペディアによれば、ギリシア語のサルコ(sarco)は「肉・筋肉」、ペニア(penia)は「減少・消失」の意味だそうです。
「サルコペニアの定義」は、筋肉量の減少を定義としていましたが、徐々に筋力低下、機能低下も含まれるようになっています。
筋肉の減少や筋力低下の原因は、加齢や疾患により、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下」を生じている状態をサルコペニアと言います。
また、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します。
サルコペニアの診断基準は、以下の通りです。
1.低筋肉量を裏付ける証拠に加え、
2.低筋力、あるいは
3.低身体機能を満たす場合
サルコペニアは、加齢が原因で起こる「一次性サルコペニア」と
加齢以外にも原因がある「二次性サルコペニア」とに分類されます。
また、加齢以外にも、日常生活動作や疾患、栄養状態によっても起こります。
寝たきりの生活や活動性が低下することによって起こるもの。
癌や虚血性心不全、末期腎不全、内分泌疾患などの疾患によるもの。
栄養の吸収不良、消化管疾患や薬の副作用による食欲不振、摂取エネルギー、タンパク質の摂取不足によるものなども原因とされます。
・・・・これらを整理すると以下のように分類されます。
a)一次性サルコペニア(加齢性サルコペニア)・・・加齢以外に明らかな原因がないもの
b)二次性サルコペニア(活動に関連するサルコペニア)・・寝たきり、不活発な生活スタイル、無重力状態が原因となり得るもの
c)疾患に関連するサルコペニア ・・・重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍や内分泌疾患に付随するもの
d)栄養に関連するサルコペニア ・・・吸収不良、消化管疾患、および食欲不振に伴う、摂取エネルギーおよび/またはタンパク質の摂取力不足に起因するもの。
下図の通り、サルコペニアの原因は、以下のような事が上げられます。
1)加齢による、筋肉の増加に関係する性ホルモンの減少。
2)栄養不良、癌や糖尿病などによる筋萎縮。
3)脳からの指令を筋肉に伝える働きをする運動神経の傷害。
4)筋肉の増減に関連するホルモン(コルチコステロイド・成長ホルモン(GH)・インスリン様成長因子1(IGF-1)・甲状腺機能異常・インスリン抵抗性)の影響。
5)他の疾患により、筋タンパクの分解が進むこと。
まとめ
大雑把に「サルコペニア」についてご理解頂いた上で、次回は診断について具体的にご紹介させて頂きます。