人生の引き際 (1)人生の幕引き
人生の引き際 (1)人生の幕引き
上のタイトルは、曾野綾子氏の著書「人生の引き際」というタイトルです。
著者は、上記の中で「幕引きのために精神を整える」事を現しています。
その要約は、仕事の引き際、定年退職や現役としての役割から離れる日、及び人生の終わりである「死ぬ日」も必ず訪れるのであるから、その日を受容する心の準備をしておくことを示しています。
引退、退職
オリンピックでメダリストとして、栄光に輝きながら現役を退く人もいれば、敗者として失意の中で引退を決意する人もいます。
皆が勝者として引退や退職の日を迎えるのではない事が現実である以上、最善を尽くした結果であるなら、悔しい思いをしても後悔は少ないかも知れません。
スポーツでは、「競技における勝負に負けたとか、いい結果が出なかった場合、結果に対して悔しさはありますが、その過程でやるべきこと、やれることをやりきったなら、後で振り返ってあの時ああしていたらよかったと思うような「悔やむ気持ち」はあまりないかもしれません。
仕事でも、「業績を残せて、周囲から賞賛されるような実績」で、社会からも評価されるならともかく、多くはそうはいきません。
つまり、思ったほどの結果を残せなかったり、その業績もほとんど評価されない場合がほとんどかも知れません。
それでも会社の役に立てたとか、誰かのためになれたと言う面があれば、それだけであっても社会に貢献したことにはなりますので、輝かしい引退ではなくとも、静かに役割を果たしたと言えるでしょう。
むしろ、チャレンジしなかった事については、やってみたかったと言う悔いが残るのではないでしょうか。
人生の幕引き
他方、死を迎える準備こそ、重大で有ることは疑いの余地はございません。
上に示した「人生の引き際」では、日本は他の発展途上国に比べれば、
経済発展を遂げ、
社会保障もそれなりにそろっており、
平和も維持されている
・・・・という点で、どう転んでも幸せなのだから、しっかり「死に向けた心の準備」をしなさいと言っているように思われます。
なぜなら、戦前の日本には、貧困、戦争、人権について顧みられることのない社会でした。
また、現在でも多くの国で保険医療度や介護保険度、及び年金保険などの社会保障制度がほとんど存在していないからです。
曽野氏の著作には、他にも「納得して死ぬという人間の務めについて」、「老いを生きる覚悟」、「身辺整理、わたしのやり方」、他、いくつもの高齢期を過ごす自身の受け止め方を著した作品をまとめています。
・・・機会がございましたら、一度手にとって見られてはいかがでしょうか。
誰もが向き合わなければならないことであり、避けられないことだからです。