新型コロナウイルスに対する初期診療
新型コロナウイルスに対する初期診療
診療所はどうすれば良いの?
2020年2月から、日々、感染者数が報道され、注意喚起が成されています。
しかし、初期診療や検査及び治療に携わる側への整理された具体的な情報は、ほとんどありません。
つまり、関わった医療従事者だけが経験から学び取っている段階ですが、これでは地方の診療所は何も出来ません。
メディアに登場する感染症専門医とされる先生方のコメントは、今後、こうなるだろうという予測のみです。
新型コロナウイルス感染症については、少なくとも治療法や治療薬が定まっていないのです。検査方法がようやく整い始めたところです。
従って、感染症専門医と言ったところで、どうやって治療するかについては過去の感染症と治療薬・治療法については専門医ではあっても、新型コロナに関しては素人と同じではないでしょうか。
そのような感染症専門医は、見方によっては、新型コロナについて素人であるにも関わらず、感染症専門医としてメディアに出ているだけで勉強していない事は明らかです。
まあ、メディアも視聴者に向けて、それらしきことを述べて頂ければ番組は成り立ち、雑誌は売れるのでしょう。
そう思って角刈りの感染症専門医の所属する感染症学会のサイトなどを眺めていましたが、これと言った診療所向けの情報は見当たりません。
ところが、日本プライマリ・ケア連合学会は、公式サイトで「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」(以下、手引き)を公表した。
感染症学会ではなく、プライマリケア学会が一般医療機関向けにまとめられています。
その内容もフローチャートや図表を使って、情報を整理し、現場の臨床医を意識したまとめかたです。
他方、日本感染症学会はと言えば、一般診療として患者を診られる方々へ(2020年2月3日現在)の情報は更新されていません。
他にも情報は掲載されていますが、いずれも文字の羅列ばかりで、内容は整理されておらず、読んでて疲れるような内容でしかありません。
これらを比較して解ることは、プライマリケア学会は、現場の医師の求めている事を意識し、整理された情報を提供していると感じられますが、
感染症学会は、どこに焦点を当てて、誰に情報を提供しようとしているのか解りません。
新型コロナの初期診療
上記の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き」の6ページには、
【表 1】新型コロナウイルス感染症の特徴 がまとめられています。
そして、7ページに、【図 1】新型コロナウイルス感染症の⼀般的な経過 が示されており、軽症例でも重症例でも発症から1週間程度は通常の風邪と変わらない事が解ります。
8ページの【表 2】致命率の⽐較 から⾼齢及び基礎疾患がある場合の致命率が把握できます。
10ページの【図 2】厚⽣労働省による「相談・受診の⽬安」 で、自宅療養後のスキームが示されています。
そして15ページには、感冒様症状の患者に⾃宅療養の指⽰が⼗分に伝わらず、直接来院する可能性があることにも触れています。
また、患者が帰国者・接触者相談センター(新型コロナ受診相談窓⼝)に電話相談した結果、かかりつけ医等を受診するよう指⽰されて来院する場合もあります。
上記のような場合、各診療所がどう対応するかについて、【表 6】感冒様症状の患者に対する動線分離の具体例 が下の表のように示されています。
・・・・具体的でわかりやすい!。
次に、16ページの【表 7】感冒様症状の患者を診療する際の標準予防策 で、医療従事者が⾶沫感染及び接触感染を想定した「標準予防策」を示しています。
17ページの【表 8】感冒様症状の患者を診療する際の感染経路別予防策 は、診療環境における「⾶沫感染予防策」及び「接触感染予防策」を示しています。
そして18ページの【表 5】感冒様症状患者に問診する際の確認項⽬ は、問診において、聴取することを具体的に示しています。
他にも医療機関として対応すべき点を明確に示しています。 ・・・・解りやすくて、大変参考になりました。