新型コロナウイルス感染症に対する「初期診療の手引き」改定
新型コロナウイルス感染症に対する「初期診療の手引き」改定
日本プライマリ・ケア連合学会は、2020年7月10日、「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 2020 19-COVID 版」を公表しました。
上のリンク先の10ページにある「重症化マーカー」の中で、聞いたことのない「Dダイマー」について調べて見ました。
D-ダイマーとは何か?
フィブリノゲンがトロンビンにより分解されてフィブリンになるとき。フィブリン1分子の一部(Eドメイン)別のフィブリン2分子の一部(Dドメイン)が結合してDD/E構造を形成する。
この時のフィブリン分子のDドメイン2つが結合してできた物質である事から、Dダイマーと言っています。
検査ではDダイマーを認識するモノクローナル抗体を使って、フィブリン断片を測定するのがD dimer検査です。
・・・このDダイマーが検出されると言う事は、フィブリンがプラスミンによって分解を受けた断片が血中に存在するということであり、血栓形成と線溶反応(凝固した血液が分解される反応過程)を反映している。
すなわち、D-dimerはフィブリン形成を経た後の分解産物ですので、先行する血栓の存在を示唆することになります。従って、血栓形成傾向を認める疾患では、D-dimerが上昇する可能性が高いことになります。
新型コロナ以外で-dimerが上昇する疾患や病態
・DIC(播種性血管内凝固症候群)
・深部静脈血栓症(DVT)
・肺血栓塞栓症(PE)
・悪性腫瘍
・肝硬変症
・大動脈瘤
・手術後
・妊娠中
・他、血液凝固亢進状態 など
いずれにせよ、新型コロナウイルスの感染により、肺塞栓、脳梗塞、心筋梗塞、さらに細動脈、毛細血管などの微小血管内で血栓を形成して循環障害をきたすものと考えられています。
参考情報
Coagulopathy of Coronavirus Disease 2019 (Crit Care Med. 2020 May 26 : 10.1097/CCM.0000000000004458.)、順天堂大学大学院医学研究科救急・災害医学科、デューク大学医学部麻酔科,クリティカルケア,外科。
********************* 以下の内容は2020年5月19日に掲載した内容です **********************
日本プライマリ・ケア連合学会は2020年4月30日、公式サイトで「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き Version 2.0」を公開した。
このサイトでは、4月9日に新型コロナウイルスに対する初期診療 を紹介し、第1版を案内ていましたが、その第2版が公表されました。
主要な変更点は、下に示した目次項目で赤色のアンダーラインを引いたあたりのようです。
関連情報
新型コロナウイルス対策についてのご提案 (2020年6月28日)
新型コロナウイルスに対する治験情報20200412 (2020年4月12日)
新型コロナウイルスに対する初期診療 (2020年4月9日)