ワクチンの臨床試験で発症予防効果はわかるか? (2)ワクチンの臨床試験
ワクチンの臨床試験で発症予防効果はわかるか? (2)ワクチンの臨床試験
ワクチンの臨床試験 ・・・「感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドライン」について
ワクチンの臨床試験は、厚生労働省の「感染症予防ワクチンの臨床試験ガイドライン」についてによれば、次の3つ段階で行われることが示されています。
第Ⅰ相試験は、健康成人を対象とした小規模試験で、ワクチンの安全性と免疫原性(抗原性)に関する予備的な試験を行います。
・・・・免疫原生とは、抗原性を意味し、抗原性があることで抗体が作られれば、免疫原性があると評価されます。同時に、安全性や副作用についても調べます。
但し、免疫原性があってもそれで細菌やウイルス感染による発症を予防できるかどうかはわかりません。
第Ⅱ相試験は、接種対象を広げた健康成人で、第Ⅲ相試験に使用するワクチンの接種量と免疫原性を評価することで、接種量と副反応の関係を調べつつ、安全性と有効性を評価します。
・・・・例えば、ワクチン接種量を増やすことで、免疫原生(抗体産生量)が上がっても、副反応の頻度と症状を許容できるかどうかを調べます。
他にも、接種回数、接種間隔、接種経路、抗体の維持期間なども調べられます。
第Ⅲ相試験は、ワクチンの有効性と安全性について、実際の接種量、接種条件で、大規模集団を対象として実施されます。
・・・臨床的有効性を確認する第Ⅲ相試験では、接種される被検者も接種するヒトも、ワクチンかを知らされない無作為二重盲検比較試験で行なわれることが望ましいとされています。
次回は、臨床試験により発症予防効果が解るかどうかについて、ご一緒に考えて見ましょう。