新型コロナで汚染された個人用保護具に対するオゾン処理の効果 まとめ
新型コロナで汚染された個人用保護具に対するオゾン処理の効果 まとめ
(1)ウイルス汚染された防護服の除菌効果
・・・・・新型コロナウイルスで汚染させた個人防護服をオゾン処理することで、オゾンの除菌効果を調べる実験方法の全体像についてご紹介致しました。
(2)汚染させた防護服をオゾン暴露する
・・・・・具体的なオゾン暴露条件とRT-PCRについてご説明しました。
(3)高濃度オゾンの効果
・・・・・500~4000ppmのオゾン暴露により、汚染させた個人防護服に付着した新型コロナウイルスの遺伝情報の損傷状態についてご説明させて頂きました。
(4)オゾン2000ppm及び4万ppm暴露の効果
・・・ウイルスの遺伝情報を破壊するために必要なオゾン暴露条件は、CT値=2000 程度と考えられます。
(5)オゾン暴露時の湿度の影響
・・・湿度99%の時のCT値(オゾン濃度×暴露時間)は、6ppm×50分=300となります。
他方、湿度63%のCT値は、10ppm×120分=1200程度必要であると考えられます。
まとめ
上の研究報告では、以下のことが明らかにされました。
新型コロナウイルスで汚染させた個人防護服をオゾンで曝露した実験で次の事が明らかにされました。
10,000 ppm(20 g/m3)で30秒、・・・・・・・・CT値:5,000
4,000 ppmで5分、 ・・・・・・・・・・・・・CT値:20,000
2,000 ppmで10分。 ・・・・・・・・・・・・CT値:20,000
しかしながら、湿度99%の条件では低濃度オゾン4-12 ppm(0.008-0.024 g/m3)でも30分でウイルスの遺伝情報は完全に破壊され、
その際のCT値は、30分×10ppm=300 程度でも個人防護服に付着したウイルスを破壊できることが証明されています。
以上の結果から、オゾンによるウイルスの除去効果は、湿度に大きく依存していることが明らかにされました。
この結果から、新型コロナウイルスのパンデミックによる状況下の医療機関や介護施設で個人防護服やフェイスガード、マスク、手袋などの再利用が検討された際、これら感染防御資材の消費量削減(利用可能性の増加)及び廃棄物の削減(環境への影響の減少)に適切なオゾンガス暴露が手段となる可能性が示されました。