今年の年賀状から (4)仕事を目的としてきた人の自分探し
今年の年賀状から (4)仕事を目的としてきた人の自分探し
前回までに、山登りの動機から次の山登りの目的を考えたり、進学の目的から卒業後の仕事について考えてきました。そして次に、これらと同様に仕事の目的から退職後の生活スタイルを考えてきました。 そして今回は、「仕事を目的としてきた人に考えてみて欲しい事」について述べてみたいと思います。
(4)仕事を目的としてきた人の自分探し
「仕事が目的であった人」にこそ、定年後の時間はより必要なのではないだろうかと考えます。あなたご自身のために過ごして下さい。
自分探し
前回「(3)仕事の目的と退職後の生活スタイル」の イ)や ウ)のように「仕事そのものが目的であった方」なら、仕事は周囲の人のために働き、顧客のために働き、家族のためにも身を粉にして働いてきた事と思います。しかし現実の社会は厳しく、周囲はあなたほど周りの人の事など考えないため、返ってがっかりさせられた経験の方が多いのではないでしょうか。だからこそ、定年後はご自分のために時間を過ごして欲しいと言う意味で、自分探しの時間として過ごしてはいかがでしょうか。
これまで仕事そのものを目的にしてきた人達の思考パターン(考え方の癖)は、目的が仕事であり、家族でもあり、会社であり、、また顧客でもありました。つまり目的が明確でした。ですので、仕事を離れた際には自分を見つめ直し、これまでの人生を振り返りつつ、より大きな「人生の目的」を思索してみる機会ではないでしょうか。
自分探しとは、「自分は何をすれば心から楽しめるのか。」、「誰にも束縛されず、誰の評価も気にせずに自分が楽しめるものを探すこと。」は、いずれ「何のために生きてきたのか?」とか、「これからの人生を生きる意味」をより深く考える事に取り組んでみてはいかがでしょうか。
山があったから山に登った人
目の前に山があったから山に登った人や、旅行や食事が楽しみな人達の多くは、仕事を目的にしてきた人ほど深く人生を考えていないと思います。なぜなら、定年後も旅行先から帰って来る途中で、すぐに次の旅行先を考え、温泉に行けば、帰りには次の温泉地を考えているからです。
結局の所、沢山の山を登ったり、あちこちへ旅行したからといって、その先に目的がある事はあまりありません。従って、それらの趣味がいくつもあるからと言って、趣味のない人より考えて定年後のセカンドライフを過ごしているとは言えないだろうと思います。
仕事を目的にしてきた人達の多くは真面目で、目先の温泉旅行など1~2度行った結果、それほど繰り返しあちこち出かけるほど、意味を認めていないのではないかと思います。
私の友人にも世界の30カ国以上に旅行をしている人がいますが、結局の所、何処へ行っても満足することなく、ただ観光地を回っているに過ぎない状態です。それを楽しんでいると言えばそれも目的には違いないかも知れません。
次回は、仕事を目的としてきた人の定年後についてです。