田中好子さんの乳ガン再発(3/3)
乳がん発症を予防する確実な方法がない現在、乳がん死亡率を下げるには、検診による早期発見、早期治療とされています。
それでは乳ガン発見のためにはどのような検診があるかについて簡単にご説明いたします。
1)マンモグラフィー :乳房のレントゲン撮影です。
その有効性については議論が多く、30代には不要であり、40代では意見が分かれており、今のところ50代以降については60%程度の発見率とされています。つまり40%は見逃されてしまいます。また、5ミリ以下の腫瘤については、要観察とされ、半年後に再検査を行います。
2)超音波検査:この検査でも発見率は従来は70%程度で、腫瘤周囲の血流などからある程度の悪性度を見分けられる事もあると言う程度でした。しかし、この検査にエラストグラフィーと言う技術を適応しますと腫瘤の堅さから95%以上の確率で悪性度を鑑別可能です。
3)MRI :単純に乳房の3D撮影を行うことで腫瘍の鑑別が出来ますが、造影を行なうdynamic studyで良悪性の質的診断に加え、高分解能 3D imageにて乳管内進展の有無を診断することが可能となっています。これらの応用技術により詳細な腫瘍の状態を98%程度まで鑑別可能となってきました。
4)PET:上記の3つの検査法はいずれも乳腺に的を絞ったときの検査ですが、PET検査では乳腺に的を絞らずに全身のガン検診を行うことが出来ます。三重県内には、現在、3施設でこのPET検査装置が稼働しています。他の検査方法でガンの疑いが指摘されていない場合には保険では検査を受けることが出来ません。
上記の検査は、市町村の補助による検診で受けられる検査もあれば、受けられない検査もございますので、ガン検診を希望される方、あるいは話をお聞きたい方は当院にご相談頂きたいと思います。
スーちゃんの乳ガン再発から、多くの女性が、また男性も含めて多くの方々が、ガン検診に対して積極的に取り組まれ、早期発見・早期治療を受けられることを具体的にお考え頂ければ幸いです。