腸管出血性大腸菌(O111)とは
大腸菌は腸内に存在し、ほとんどのものは無害ですが、中には人に下痢などの消化器症状を起こす大腸菌もあり、病原性大腸菌と呼ばれています。この中で特に毒力の強いベロ毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群を起こすものを、腸管出血性大腸菌といいます。
大腸菌の菌表面にある抗原には、O抗原(細胞壁由来)とH抗原(べん毛由来)があり、O抗原が111番目に発見されたの大腸菌が、今回の原因菌の型です。
この菌は、ベロ毒素というタンパク性の成分が次のような作用を引き起こします。
1)腸管血管内皮細胞を傷害し、下痢や血便を起こす。
2)腎臓の糸球体血管内皮細胞を傷害し、血栓形成、溶血性貧血、血小板減少のため、溶血性尿毒症症候群をきたす。
3)神経毒性。
治療法としては、類似のO157に対する治療に準じた治療を行うことになります。http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0908/h0821-1.html#1-4
生食用食肉の衛生基準は、http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1009/h0911-1.html に書かれていますが、生食用食肉を出荷するとちく場から流通販売される小売店までが、この基準を守っているかどうかをすべて証明するには、あまりに煩雑な手間がかかり、現状では行われていないと思われます。すなわち、基準はあっても、この基準が守られているかどうかは確認出来ないのではないでしょうか。 生肉を食することは、大変危険な目に遭う覚悟が必要なようですので、避けましょう。