目の病気 (3) 白内障とは
目の病気 (3) 白内障とは
(A) 白内障とは
レンズの役割を果たしている水晶体が濁ることで光が散乱し、光の屈折がぼやけるため網膜に鮮明な像を結ぶ事が出来なくなる病気です(下図参照)。
従来までは高齢者に多い病気で、年齢と共に発症率は高くなり、80歳以上ではほぼ全員に水晶体の濁りが見られると言われています。しかし最近では、子供の頃からテレビゲームやパソコン、スマートフォンの利用で、目を酷使していることから今後は若い人にも見られる病気になるだろうと考えられています。
(B) 白内障の原因
水晶体を構成する物質はクリスタリンというタンパク質で出来ていますが、このクリスタリンがなぜ濁ってくるかについてはまだわかっていません。しかしながら、次のような要因による白内障があげられています。
老人性白内障、先天性白内障、併発性白内障、全身性疾患、薬物性、外傷性の六つです。
併発性白内障の例として、糖尿病が原因で水晶体が濁る糖尿病性白内障、アトピー性皮膚炎に合併するアトピー性白内障、虹彩や毛様体、脈絡膜の炎症が原因となるぶどう膜炎による白内障などがあります。
(C) 白内障の症状
以下の様々な症状が現れますが、左右の目で発症時期が異なる場合が多いため、片方の目が白内障で見え難くなっても、よく見えるもう片方の目で補っている事が珍しくありません。
目のかすみ、視力低下、まぶしく感じる、逆光ではまったく見えない、夜間の対向車のライトがまぶしく前が見えなくなる、暗いところで見えにくい、物が二重に見える。
(D) 水晶体の濁り方
1) 皮質白内障
水晶体周辺部の皮質が濁る白内障で、光の乱反射が起こりやすくなり、
物を見た時に眩しさを強く感じます。また、濁る場所により霞んで見えるようになります。
老人性白内障のほとんどは、この「皮質白内障」で始まります。
2) 核内白内障
水晶体の中心部にある核から濁り始める白内障です。
3) 後嚢下白内障
水晶体の後ろ側を被っている後嚢という膜に接した皮質から濁り始める白内障です。
明るい所で眩しく感じられ、見え難くなります。糖尿病やステロイド剤が原因で起こる白内障はこのタイプです。
以上の他にもアトピー性皮膚炎の患者さんに見られるのが前嚢下白内障です。
次回は白内障の検査についてご説明します。