目の病気 (6) 緑内障とは
目の病気 (6) 緑内障とは
白内障は水晶体が白く濁って視力が低下する病気です。では、緑内障は眼が緑色になるのでしょうか?
眼球の前の方にある角膜と水晶体は透明で、前房と後房を満たしている房水が何らかの原因で過剰に貯まる事で、角膜がむくんで青色に見える事から緑内障という名前が付けられたようです。
(A) 緑内障とは
眼圧の上昇により、視神経が傷害され、視野が狭くなる病気です。40歳以上の中高年に多く、一度障害を受けた視神経は再生することがないため、失明原因の第一位です。
緑内障の発症頻度
40歳以上の人口の5%に発症し、正常眼圧の緑内障が3.6%を占めます。
(B) 眼圧とは
前房と後房を満たしている房水は、眼の毛様体で産生され、角膜・水晶体・硝子体など血管のない組織に栄養を与える働きをしています。
房水は、毛様体で産生され、後房から前房へ、そして隅角にある線維柱帯を通って、シュレム管に集まり、静脈へと流れ出します(上の図参照)。
毛様体で産生される房水の量とシュレム管から排出される房水の量のバランスが保たれていれば、眼圧は一定のはずです。ところがこのバランスが乱れると眼圧が上昇します。
(C) 緑内障の原因
眼圧の上昇が視神経を圧迫し、視野が狭くなる事が原因とされています。
この眼圧上昇の原因は、前房内の房水が隅角からうまく排出されず、眼球内の圧力が高くなるためと考えられています。
しかし、多くの緑内障患者さんの眼圧上昇の原因は、不明な事が多く、定期検診で早期発見することが大切です。 緑内障の中でも日本人に多いのが正常眼圧の緑内障です。
(D) 正常眼圧緑内障
正常眼圧緑内障は、眼圧が高くないにも関わらず視神経が傷害され、緑内障になるタイプを言います。その原因は次の2つが指摘されています。
a) 眼圧が一日の内で、正常範囲より高くなる時間がある場合
b) 視神経が圧迫に弱いため、正常の眼圧でも視神経が傷ついてしまう場合
緑内障を起こす眼圧は人によって異なるため、正常な眼圧でも視神経が傷害されると視野狭窄や視野の欠損をきたす場合があります。
また、血縁者に緑内障の方がいる人や高度の近視の人、低血圧、低体温の人も緑内障との関連性が指摘されていますが、その理由は不明です。