目の病気 (11) 加齢黄斑変性とは
目の病気 (11) 加齢黄斑変性とは
(A) 加齢黄斑変性とは
加齢により、視細胞の集まる網膜の黄斑部に障害が起こる病気を言います。
黄斑部とは(下図参照)
黄斑部は網膜中央の直径6ミリ程度の部分で、視力を司る働きをしています。
黄斑部の中心は中心窩(か)と呼ばれる0.4ミリほどの小さな点状の凹み(くぼみ)があり、視細胞が集中しており、黄斑部が障害されると視力は低下します。
(B) 症状
視野の中心がゆがんで見える。中心部が暗く見える。視力低下。
(C) 発症原因
発症原因には2つのタイプが知られています。
- 網膜の外側にある脈絡膜から新生血管(新たに出来た血管)から出血し、網膜に浮腫を起こし、黄斑部が障害されるタイプで、病状の進行が早い。
- 網膜外側の網膜色素上皮やその周辺組織の萎縮により黄斑の視細胞が障害されるタイプで、進行は比較的遅い。
(D) 検査
(1) 視力検査:視力の低下を調べます。
(2) アムスラー検査
碁盤の目のような格子状の線が描かれた図(アムスラーチャート)を見て、ゆがんで見えたり、暗く見えるところがないかを検査します。
検査は片目ずつ行い、閉じている方の眼は手で多い隠し、チェックする側は、中心の点を見るようにします。
(3) 眼底検査:新生された血管の状態や出血、浮腫、萎縮の有無を調べます。
(4) 造影検査:
静脈から蛍光色素を含む造影剤を注射し、眼底カメラで新生血管などの状態を詳しく調べる検査です。
(5)光干渉断層計
目に赤外線の光を当てるだけで網膜の断層を観察できます。また、視神経乳頭の陥凹の程度や視神経線維の厚みを調べる事ができます。
網膜の断面を調べる事が出来るので、加齢黄斑変性では黄斑部の網膜を観察し、新生血管の状態、網膜の浮腫を調べます。(緑内障では視神経線維が障害され、薄くなっています)
次回は、加齢黄斑変性の治療についてを予定しています。