認知症 (3)有酸素運動の予防効果 2
認知症 (3)有酸素運動の予防効果 2
Aerobic fitness is associated with hippocampal volume in elderly humans. 「(有酸素運動は高齢者の脳の海馬容量と関係する)」と言う研究論文の方法と結果及び結論について述べ、併せて私のコメントを簡単にご紹介させていただきます。
研究方法
核磁気共鳴画像(MRI)で165人の認知障害のない高齢者の脳画像を調べました。この時、年齢、性及び受けてきた教育年数を比較できるように集団を分けました。
結果
運動レベルの高さと海馬容量の大きさとが関係していた。そしてより大きな海馬とより高い運動レベルは記憶能力と相関していました。
さらにこの研究で、より高い運動レベルが高い海馬容量をもたらし、さらに記憶を強化することが証明されました。
結論
これらの研究結果から、有酸素運動レベルが高い高齢者では、海馬容量が増加していることが明らかにされ、また記憶機能にも改善が見られました。
追記(私の意見)
有酸素運動は、メタボリックシンドロームの予防や改善に有効なだけでなく、認知症の予防にも効果が期待できそうです。その根拠は、有酸素運動が脳の記憶に関係する海馬と言う領域の萎縮を防ぐことで、記憶機能を維持改善できるからということのようです。但し、すでに高血圧や心臓病の治療を受けておられる方や持病のある患者さんはあらかじめかかりつけ医にご相談の上、適度な運動についての指導と許可を受けてから始めて下さい。